fbpx

If I Had a Life to Live Over

 皆さん、こんにちは。Amy’s Weekly Letterの第2号です。新しい年が明けてから一週間が経ちました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 日本に住む方にとっては色々と大変な一週間だったでしょう。元日に石川県で大きな地震が起きていまだに余震が続いています。二日に羽田空港で飛行機の衝突事故、三日には九州地方での火災。心が痛むことばかりですね… 

 わたしは先週の後半から仕事を再開しましたが、なんと初日に仕事で関わっているお一人の方がお正月に亡くなったことを知りました。突然な訃報で全員が戸惑い、私も動揺して一日どうしたらいいのかがわからない状態でした。

 こんな時、諸行無常という言葉が痛いほど実感しますよね。今ある命を大切にして毎日大事に生きよう、と改めて思いました。 タイミングかどうかわかりませんが、わたしはちょうど年末年始の休みに、ひすいこたろうさんの「あした死ぬかもよ?」※という本を読んでいました。その本の中に、「もう一度人生をやり直せるなら」という詩が紹介されました。85歳のナディーン・ステアさんが書いた詩だそうです。あまりにも素敵な詩だったので、原文の英語版をネットで探しました。(日本語訳は最後のほうにご紹介いたします、まずは原文の英語を読んでみてください)

If I Had My Life to Live Over

I’d dare to make more mistakes next time.
I’d relax. I would limber up.
I would be sillier than I have been this trip.
I would take fewer things seriously.
I would take more chances.
I would take more trips.
I would climb more mountains and swim more rivers.
I would eat more ice cream and less beans.

I would perhaps have more actual troubles but I’d have fewer imaginary ones.

You see, I’m one of those people who live sensibly and sanely hour after hour, day after day.

Oh, I’ve had my moments and if I had it to do over again, I’d have more of them. In fact, I’d try to have nothing else. Just moments.

One after another, instead of living so many years ahead of each day.

I’ve been one of those people who never go anywhere without a thermometer, a hot water bottle, a raincoat and a parachute.

If I had it to do again, I would travel lighter next time.
I would go to more dances.
I would ride more merry-go-rounds.
I would pick more daisies.

By Nadine Stair (age 85)
From Condensed Chicken Soup for the Soul

ちなみに↑はインターネットからのコピペではなく、見つけた後にわざともう一回キーボードで一つ一つをタイピングしました。

詩の内容の理解を深めるために、少し文法と語彙を解説したいと思います。

① Second Conditional 仮定法過去

 まず注意していただきたいのは、この詩はすべての If 文がSecond Conditional 仮定法過去なのです。「If I Have My Life to Live Over」ではなく「If I Had My Life to Live Over」です。Second Conditional は以下のフォーミュラーです。

if + past simple, …would + infinitive

 なぜなら、この例え(もう一度人生をやり直せる)は現実に起こりえないことからなのです。ですので、もし人生をやり直せるならば、やりたいことはすべてwould + 動詞(infinitive)という形で表現されています。I’d = I wouldの短いフォームです。

 詩の真ん中らへんに I’ve had ( = I have had / present perfect tense) と I’ve been ( = I have been / present perfect tense) がいくつありましたが、これは妄想の話ではなく、現実の話をしています。私は今まで~こんな人間で、こんな性格でしたが(現実なので、present perfectが使われました)、今度人生をやり直せたら違うことをやりたい(この部分はwould + infinitiveが使われていますね)。このように動詞の形に注目すれば、願い話(would)と現実の話が区別しやすくなり、内容のつかめに助けになります。

② Verb + over のphrasal verb

もう一つ注目していただきたいのは overが付いているphrasal verbです。

  • Live over : 生き直す
  • Do over: やり直す
  • Start over: 最初からやり直す(今回の詩には出てこなかったのですが、良く見かけるphrasal verbです)

「over」は色々な動詞にくっつき、それぞれ違う意味をもつのですが、今回のphrasal verbでの意味は over = againと考えていただき大丈夫かと思います。
(「over」の他の意味を調べたい方はどうぞこのページへ)

 さて、以上の文法を踏まえてもう一度この詩の英語原文を読んでみましょう。2回目はきっとこの詩の美しさをより深く味わえると思います。

 それでは最後に日本語訳の文をご紹介いたします(ヒューイ陽子訳、※書籍からの引用)

人生をもう一度やり直すとしたら、
今度はもっとたくさん失敗したい。

そして肩の力を抜いて生きる。
もっと柔軟になる。今度の旅よりももっとおかしなことをたくさんする。

あまり深刻にならない。もっとリスクを冒す。
もっと山に登ってもっと川で泳ぐ。
アイスクリームを食べる量は増やし、豆類の摂取量は減らす。

問題は増えるかもしれないが、想像上の問題は減るだろう。

というのも、私は毎日常に良識ある人生をまともに生きてきた人間だからだ。
もちろん、バカげたことも少しはやった。
もし生まれ変わることがあったら、バカげたことをもっとたくさんやりたい。
何年も先のことを考えて生きる代わりに、その瞬間だけに生きたい。

私はどこに行くにもいつも万全の準備を備えて出かけるのが常だった。
体温計や湯たんぽ、レインコートやパラシュートなしにどこにも行かなかったものだ。
人生をやり直すとしたら、もっと身軽な旅行をしたい。

もう一度生き直すとしたら、春はもっと早くから裸足で歩き出し、秋にはもっと遅くまで裸足でいる。
もっとたくさんダンスに出かける。
もっとたくさんメリーゴーランドに乗る。
もっとたくさんのディジーを摘む。

それぞれの瞬間をもっとイキイキと生きる。」

 日本語訳と英語原文、いくつか言葉の順番が前後しましたが、訳者が意図的にちょっと言葉をアレンジしたかもしれません。それでも、英語文も日本語訳も、どちらもとっても素敵な詩でした!

 日本語と英語、どちらの言語でも美しい言葉が読めてとても幸せです。これは外国語の勉強において、わたしの中で一番やりがいが感じられることで、一番心が温まるときなのです ^^

 最後に、このブログを読んでいる皆さんにもお聞きしたいです。

 If you had a life to live over, what would you do?

 もしもう一度人生をやり直せるならば、あなたは何をしたいのでしょうか。

 (答えはLINE公式アカウントへメッセージをお送りください)

P/s: わたしの答えは来週のAmy’s Weekly Letter第3号に発表いたします。お楽しみにしてくださいませ~

友だち追加